今月からマイナンバーの通知カードの配布が開始されていますが、皆様のお手元にはもう届きましたでしょうか? 通知カードが届く日程は市区町村によって異なります。筆者が住む自治体では、届くのは11月中旬~下旬になると広報されており、通知カードを実際に手にするにはもう少し時間がかかりそうです。

さて、今回から2回に分けて、特に社会福祉法人様のご関心が非常に高い「施設入所者の方のマイナンバー取扱い」について説明をしていきたいと思います。なお、以下の見解は、現時点の法令やマイナンバーコールセンターへの問い合わせ結果を元に、当社独自の見解を加えて作成されています。今後、行政機関等より正式な対応方法について通達等がされた場合には、そちらを参照されたいことを、特に申し添えます。

施設入所者のマイナンバーをどう取扱うか?

社会福祉法人、とりわけ児童養護施設、障害者支援施設、特別養護老人ホームなどが該当することが多いと思われますが、入所者の方は住民票を施設に移している場合、マイナンバーの通知カードは施設に届くことになります。この場合、施設は通知カードをどのように扱えば良いでしょうか。

通知カードはもちろん入所者本人のものですので、本人にお渡ししてその後は通知カードには関与しない、という対応が原則的になると思われます。しかし、本人に通知カードを渡しても本人が適切に管理しきれないようなケース(未成年者、知的障害者の場合など。)もあり得ます。このようなケースはそもそもマイナンバーのガイドラインでは想定されていないのですが、本人に家族や後見人がいれば、その方に通知カードを転送してお任せすることも考えられます。ただ、そういった転送先も無いようなケースではどうすれば良いでしょうか。その場合は、通知カードを施設で受け取り、従業員等のマイナンバーと同じく安全管理措置の対象として保管する、というのが現実的な対応となるでしょう。

収集・保管制限に違反してしまうのではないか?

しかし、ここで一つの疑問が沸きます。マイナンバーの収集には番号法によって制限がかけられています。

(収集等の制限)
第二十条  何人も、前条各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報(他人の個人番号を含むものに限る。)を収集し、又は保管してはならない。

一般的に、事業者が従業員や支払先のマイナンバーを収集できるのは、番号法第19条第2号(個人番号関係事務実施者が個人番号関係事務を処理するために必要な限度で特定個人情報を提供するとき)や第3号(本人又はその代理人が個人番号利用事務等実施者に対し、当該本人の個人番号を含む特定個人情報を提供するとき)に該当するからなのですが、社会福祉法人が入所者のマイナンバーを収集することがこれらに該当するかどうかは、現時点では微妙であると言わざるを得ません。ただし、当社がマイナンバーのコールセンターに確認したところでは、社会福祉法人が入所者のマイナンバーを収集・保管することは、目的外収集には当たらないとの回答でした。(法的根拠が明確に定められているわけではなく、どちらかというと立法主旨から導き出された回答であるように、個人的には感じられました。今後、明確にするためにガイドライン等に取り入れていっていただけることを期待したいところです。)

さて、入所者のマイナンバーを収集するのはいいとしても、これをこの後どのようにしていけばいいでしょうか? とりあえず預かって保管庫にずっと入れておくのであればそれほど難しくありませんが、実際には入所者に関する様々な手続きでマイナンバーが必要になる場面が想定されます。そのような場合、社会福祉法人は代理人として手続きをすることが可能なのでしょうか? 可能であるならば、どのような方法で行えばいいのでしょうか? それらについては、後編で解説いたします。

監修:社会保険労務士法人アクシス代表社員 樫葉 稔

 

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