• 相続コラム

事業承継対策その3
~取引相場のない株式等の評価② 後編~

今回は、「取引相場のない株式等の評価」の後編として「純資産価額の算定」と「評価方法の決定 」について解説します。
※前回の記事(事業承継対策その3~取引相場のない株式等の評価①前編~)は、こちらからご覧いただけます。
https://m-staff.com/souzoku/news/detail/post-5544/

取引相場のない株式等の評価方法

3.純資産価額の算定

(1)算式

純資産価額方式は、課税時期における各資産および負債を相続税評価額により評価し、評価差額(含み益)に対する法人税等を控除して、評価会社の株式の価額を計算します。

評価差額に対する法人税等相当額は、いわゆる含み益の37%です。

(相続税評価額による純資産価額-帳簿価額による純資産価額)×37%により計算します。マイナスの場合は0です。
※株式を所有する者が、自己のために会社の資産を利用するには、会社を解散、清算しなければなりませんが、会社の精算時も精算所得に対して法人税が課税されます。二重に課税がされないように法人税等の控除が認められています。

【純資産価額】

※含み益=相続税評価額による純資産価額-帳簿価額による純資産価額

算式の留意点

評価会社の資産に含まれる「他社の取引相場のない株式」の評価にあたっては、(1)の算式における「評価差額に対する法人税等相当額」は控除されません。
※評価会社のA社が資産として、他のB社の株式を保有していた場合のB社株式の相続税評価額は「含み益×37%」の控除はできません。

「子会社を設立して、法人が所有している財産を移転し、人為的に含み益を作り出すことを図り、評価差額に対する法人税等相当額を控除することにより、株価を引き下げる」といった租税回避行為を防止するために、本規定が設けられています。

(2)純資産価額方式の評価時点※課税時期:相続開始時点or贈与時点

例外:直前期の留意点

資産・負債の金額に著しい増減がなく、評価額に与える影響が少ないため、課税上弊害がないと認められるときに限り、直前期末の資産・負債に基づき、課税時期の評価通達を適用して評価することが認められています。

課税時期が2025年1月、評価会社が3月決算の場合、直前期末の2024年3月末現在の資産・負債を対象として、土地については2025年の路線価等を、非上場株式については、2025年分の類似業種の株価、各比準要素等を使用して株式を評価します。

4.評価方法の決定

「1.会社規模の判定」にもとづいて判定した、各規模区分に応じた原則的評価方式を適用します。

(1)大会社

次の①と②のいずれか低い額
①類似業種比準価額
②純資産価額

(2)中会社

次の①と②の合計額
①次のいずれか低い額×L(0.90,0.75,0.60)の割合
 ⅰ類似業種比準価額
 ⅱ純資産価額
②純資産価額(議決権割合50%以下の場合、80%)×(1-L(0.90,0.75,0.60)の割合)

(2)小会社

次の①と②のいずれか低い額
①次の㋐と㋑の合計額。
 ㋐次のいずれか低い額×0.5
  ⅰ類似業種比準価額
  ⅱ純資産価額 
㋑純資産価額(議決権割合50%以下の場合、80%)×(1-0.5)
②純資産価額(議決権割合50%以下の場合、80%)

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