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部門別会計・着地予測のススメ

日々の経営において「数字をどう見るか」はとても重要です。今回は、経営判断をより的確に行うために役立つ「部門別会計」 と 「着地予測」 についてご紹介します。

部門別会計とは?

「部門」といっても、必ずしも社内の部署を指すわけではありません。複数の事業・店舗・商品カテゴリなど自由な切り口で分けて損益を管理する仕組み が「部門別会計」です。中小企業の場合、たとえ複数事業を営んでいても、損益計算書は全体をひとつにまとめているケースが多いのが現実です。しかし、これでは「どの事業が利益を出していて、どの事業が赤字なのか」が分かりません。「分けるは分かる」。事業ごとの収益やコストを切り分けて見ることで、以下のようなメリットが得られます。

改善点が明確に見える
利益を伸ばすべき事業、改善が必要な事業が一目瞭然になります。

撤退判断も正確にできる
「赤字だから撤退」では危険です。固定費が残る場合、撤退後に逆に経営が苦しくなることも。部門別に見れば「撤退すると消える費用」と「残る費用」を整理でき、数字に基づいた判断が可能になります。

根拠ある目標設定ができる
目標を「なんとなく」ではなく、「この部門が利益を出すためには粗利率を○%にする必要がある」とか、「労働分配率を50%に保つには、一人当たりの粗利をこれくらい増やさないといけない」といった具体的な指標を用いた目標設定もできるようになります。このように数字の裏付けがあることで、経営者にとっては説得力が増し、従業員も納得して取り組みやすくなります。

着地予測の重要性

次におすすめしたいのが「着地予測」です。これは「今年度がどう終わるのか」「今後12か月でどう推移するのか」を数字で予測することです。動きが少ない会社なら頭の中で十分かもしれません。しかし、次のようなケースでは特に着地予測が大きな効果を発揮します。

  • 売上が大きく減少している
  • 原材料費や人件費が上昇している
  • 人を採用する・設備投資を行う予定がある
  • 新規事業や新店舗の立ち上げを予定している

こうした変化を織り込んだ予測をつくると、経営判断が驚くほどスムーズになります。頭の中の感覚だけでは複雑で正しい意思決定は難しいものです。実際、弊社でも部門別に着地予測を作り、日々の経営に役立てています。

また、事業承継の場面でも大きな力を発揮します。後継者に数字を見せながら「この計画で進めるとこうなる」と共有できれば、先代も後継者も安心してバトンタッチができます。

まとめ:部門別会計と着地予測の相乗効果で精度の高い
経営判断へ

  • 部門別会計 は「分けることで分かる」管理の第一歩。
  • 着地予測 は将来を数字で見通すための羅針盤。

この2つを組み合わせることで、経営判断の精度が大きく高まります。「うちでもやってみたいけど、どう始めればいいか分からない…」そんな時はぜひ、私たちアクシスにご相談ください。実際の帳簿や数字をもとに、最適な方法をご提案いたします。