後継者が事業承継後10年間でやるべきこと
今回は、私が弊社に入社して7年が経とうとしていますが、「後継者が事業承継後10年間でやるべきこと」というテーマで考えてみました。
ベテランの経験と若手の勢い ― その共存をどう実現するか
創業者と比べたとき、後継者の最大の強みは 「ベテラン社員がいる」 という点です。会社が今まで続いてきたということは、現場を支えてきた経験豊富な社員たちがいるということ。彼らは業務の品質も高く、仕事も速く、後輩の指導にも長けています。その安定感は、創業したばかりの会社にはない貴重な財産です。
一方で新しいこと、変化させること、取り組むエネルギーを若手は持っています。経験が浅い分、先入観も少なく「やってみよう」と前向きに動ける。この勢いが、会社の未来を動かす原動力になります。ただし、若手の勢いだけでは組織は不安定になります。理想は、勢いのある若手を、経験豊富なベテランが応援・支える関係を築くことではないかと思います。
「後継者体制」の組織作り
後継者が新しいことを始めようとしても、組織ができていなければほとんど何も動きません。たとえ動かせたとしても、一時的で終わることが多いです。人が辞めたり、形だけで終わってしまったり。だからこそ、「後継者体制の組織作り」は最初の大仕事なのです。しかし、組織づくりもすぐにできるわけではなく、さらに正解やマニュアルもありません。そのような状況に対して、後継者は「諦めずにもがく」必要があります。
組織作りは10年かかる
組織作りは一朝一夕ではできず、10年くらいはかかるものだ と思っておき、焦りすぎない方が良いと思います。焦ると、社員を責めてしまい組織が崩壊するか、自分を責めて自信を失うことになります。正確に言えば焦りながらも、抑えつつ、「諦めずにもがき続ける」ことが、大事なんじゃないかと思います。
組織作りに取り組む中で、集客、人事、採用、商品開発、ツール導入や新しい取り組みを試してみたり、さらには、失敗や軌道修正をしながら精度を上げていく・・・。この繰り返しの中で、後継者の想いに共感する人たちが少しずつ現れます。既存の社員からも出てくるでしょうし、新しく採用した社員からも現れます。特に後継者が採用に早くから関わっていれば、現れやすいかもしれません。こうして時間をかけて徐々に作り上げていくものだと思います。
偉大な経営者もチームづくりに10年かけている!?
たとえば、ユニクロの柳井正会長。1972年に父親の会社・小郡商事に入社し、ユニクロ1号店を出したのは1984年。実に12年間、父とともに下積みを重ねてからのスタートでした。また、星野リゾートの星野佳路社長も、1990年に社長に就任し、「星野リゾート」として象徴的な再建案件・リゾナーレに乗り出したのは9年後の1999年でした。どちらも、後継者としての10年間を「組織作りと基盤づくり」に費やしたのだろうと思います。
・・・とここまで分かった風に書いてきましたが、当の私はというと7年目で絶賛もがき中です(^^; 10年仮説を証明できるように、あと3年頑張ります(笑)
おすすめ書籍のご紹介
後継社長力/ 加賀隼人 著
事業承継を控える方や、すでに後継者として奮闘されている方に、具体的な羅針盤となる一冊だと思います。後継者の心構えや悩み、その乗り越え方がリアルかつ的確に書かれており、特に、先代との円滑なコミュニケーションや、時代に合わせた変革の必要性を感じている経営者の方には、深く響く内容だと思います。
(引用/Googleブックス)