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サービス利用のフックとなったポイントを洗い出してみた!

インスタグラムがきっかけで利用した2つのサービスにおいて、サービス利用のフックとなったポイントと他業種にも活かせると思ったポイントをご紹介したいと思います。

「ユーザーがどのようにしてサービス利用に至るのか」というテーマは経営者様にとっても興味深い内容かと思います!本コラムが販促施策を検討する上で何かのヒントになると嬉しいです。

ウタリ工房

https://www.instagram.com/utari.co/?hl=ja

(引用元:ウタリ工房さんのインスタグラム)

1つ目にご紹介するのは、パン屋の「ウタリ工房」さんです。ウタリ工房さんは、手作りの天然酵母パンを県内の提携しているお店で販売しているほか、月に一度だけ工房をオープンし、お客様に直接販売も行っています。

サービス利用のフックとなったポイント

私が「このイベントに行ってみよう!」と思ったポイントを2つご紹介したいと思います。

①”月に一度しかオープンしない”という希少価値

イベントの告知チラシを拝見して目に留まったのが「一日だけのパン屋さん」というフレーズです。工房は月に1度しかオープンせず、さらに月によってパンの種類が変わることから”滅多に食べられないパン”という印象を抱きます。パン好きの私にとっては、「月に一度のこの機会を絶対に逃したくない」とイベントに行きたい気持ちが高まりました。

②コラボイベントを開催することで新しい商品やサービス、人との出会いに期待が膨らむ

ウタリ工房さんでは毎月異なるカフェのオーナーさんとコラボし、パンとコーヒーを楽しめる場を提供しています。最近、利用するお店がマンネリ化していた私にとってイベントに参加することは、知らないお店に出会える貴重な機会だと思いました。 また、インスタグラムを拝見した際に、小規模でアットホームなイベントという印象を受けたので、出店者と参加者が垣根なく交流ができ、「今まで知らなかった世界を知る機会になるかもしれない」というワクワク感も抱きました。今振り返れば、私自身限られたコミュニティの中で生活をしていたので、潜在的に新たな出会いやコミュニティを求めていたのかもしれません。

他業種にも活かせるポイント

今回参加したウタリ工房さんのイベントを通じて、「他業種にも活かせるかもしれない!」と感じたポイントをご紹介したいと思います。

コラボ提携により、コラボ先の顧客が自社の顧客になり得る

イベント会場に実際に足を運んでみた感想として、コラボ提携は自社の新規顧客開拓に直結すると実感しました。イベント会場には、珈琲ショップを営む知人とウタリ工房さん双方の顧客が集まり、それぞれの商品を購入し合う、そのような場面が多く見受けられました。1回のコラボで開拓できる新規顧客数は限られているかもしれませんが、継続してコラボ提携をしているオーナーさんは、着実に自社サービスのファンを増やしているように思います。また、いかに来場されたお客様を飽きさせず、毎月行きたいと思わせるかという工夫も非常に大切だと感じました。

Moooviまるがめ

https://gruun-marugame.jp/mooovi/

(引用元:MoooviまるがめHP)

2つ目にご紹介するのは、香川県丸亀市にある「Moooviまるがめ」という子供の遊び場です。こちらは、2023年に「まるがめボートレース場」の複合施設としてオープンしました。

サービス利用のフックとなったポイント

MoooviまるがめのHPには、「行ってみたい!」と思わせるポイントがいくつもありました。その中でも特に興味を抱いたポイントを3つご紹介したいと思います。

①施設内の紹介動画によって遊び場のイメージが掴める

「Moooviまるがめ」のHPには、施設紹介として、子供たちが実際に遊んでいるYouTube動画が掲載されています。この動画を視聴することで、利用する子供たちの年齢層や遊具のサイズ感などを掴むことができ、母親として非常に参考になりました。

②「Moooviまるがめで遊ばせてみたい!」と思わせる訴求ページ

さらに、HP内には「Moooviまるがめ」をより詳しく紹介するページも設けられています。この施設が創られた目的や現代の子供の”遊び”に関する問題提起、「Moooviまるがめ」の強み等が記載されています。同伴対象である大人に向けて書かれた内容はどれも関心を抱くものばかりでした。他の施設でもこのような点は考慮されているかもしれませんが、”あえて”自社のこだわりをしっかりと記載することで、子供の遊びを追求している施設だということが伝わり、非常に好感を持ちました。

③子供たちに必要な飽きない仕組みとルール

面白い遊びのヒントをくれる「プレイリーダー」が常駐していることや、少なくても60分は遊びにのめり込むことができる仕組み等は、「子供を遊ばせてみたい!」と思う最大の決め手となりました。さらに、利用者が混みあう週末や時期に導入されている「100分入れ替え制」という決まりも、ルールに従って遊びを中断させることができるので、母親にとっては非常に助かるポイントだと感じました。

他業種にも活かせるポイント

「Moooviまるがめ」の事例から「他業種にも活かせるかもしれない!」と感じたポイントを2つご紹介したいと思います。

①HPやSNSといった各ツールの役割を理解し、適切に活用している

「Moooviまるがめ」の特徴は、それぞれのツールの役割を理解した上で、全てを適切に活用していることです。動画で伝えられるという利点を活かしたYouTubeでは、子供たちが実際に施設内で遊んでいる様子を紹介し、写真やイラスト、テキストを用いて表現できるHPでは施設の強みや他施設との差別化ポイントを分かりやすく記載しています。極めつけは、施設の利用予約を公式LINEのみに限定し、利用者のリスト獲得や定期的な情報発信をするツールとして活用されています。(現在LINE登録者数は24,000人!)ツールの役割や強みを理解し、上手く活用している大変参考になる事例だと思いました。

②協働事業で新たな客層利用に繋げる

冒頭でもお伝えした通り、「Moooviまるがめ」は、「まるがめボートレース場」の複合施設としてオープンしました。こちらは、一般財団法人BOATRACE振興会と丸亀市、さらに教育玩具の開発や販売、あそび場作りを行う株式会社ボーネルンドとの協働事業として実現した施設です。

一般的に、ボートレース場は限られた方しか利用せず、特にファミリー層といった若年層にとっては結びつきが薄い施設のように思います。しかし、「Moooviまるがめ」のように、他業種の企業と協働することで、これまで見込めなかった新たな客層を取り込み、ボートレース場も含めた複合施設として多世代が交流できる”地域コミュニティの場”に生まれ変わりました。私たち家族も「Moooviまるがめ」を利用した後、「まるがめボートレース場」のフードコートで食事をとりました。このようにしてそれぞれの施設が独立しながらもゆるく繋がる仕掛けがほどこされています。同様の課題を抱える経営者様にとっては非常に参考になる事例だと思います。

おわりに

日々、なんとなく利用しているサービスでも「なぜサービス利用に至ったのか」を丁寧に紐解くと、様々な確度からサービス利用のフックとなったポイントが見えてくると思います。ぜひ、みなさんも「どうしてこのサービスを利用しようと思ったのか」を一度手を止めて考えてみると、販促施策のヒントが見えてくるかもしれません。