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事業承継の裏話 ②~先代がなかなか譲ってくれない⁉~

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introduction

当社のお客様の中にも、今後事業承継を進める予定があるもしくは現在進行形で進めている方もいらっしゃるかと思います。。前回に続き、親子での事業承継にフォーカスを当てて、みなさんが気になるポイントを当社の実例をもとにお話したいと思います。

“譲るタイミング”は一長一短

事業承継において、よくある悩みの一つが、先代がなかなか事業を譲ってくれないというケースです。これについては、すぐに譲るケースと譲らないケースのそれぞれに一長一短があると思います。

私たちの会社の場合、代表は比較的早く交代しました。もちろん、先代も会社には来ますし、お客様のところにも一緒に行ったりしていますが、意思決定や指揮系統は比較的早い段階で委譲したように思います。ただ、これにはメリットもデメリットもあると思っています。メリットとしては、自分で考える機会が増えることです。自分で悩み、一つ一つ判断し、壁にぶつかり、問題が生じる中で成長していきます。先代のようにゼロから会社を創ってきたときの苦労とは比べ物にはならないですが、これらの経験を通して、反省したり、やり方を変えてみたり・・・経験が記憶に刻まれることは、自分にとっての糧になると思います。デメリットとしては、すぐに交代すると先代の経験や考え方の移転が少なくなります。自分で考えて行動する機会が増える反面、ノウハウの移転が少なくなり、遠回りすることも大いにあります。自分が至らなかったことによって失うものもありますよね。

一方で、先代がなかなか代わらない場合は、先ほどお伝えしたメリットとデメリットが逆になるように思います。メリットとしては、先代と毎日一緒に仕事をすることで多くのことを学ぶべるということです。もちろん、そうした環境にいる本人は、そのメリットに気づきにくいかもしれませんが、先代からノウハウの移転があることで、効率的に学ぶことができます。このメリットは非常に大きいものがあると感じます。経営上のことや従業員、お客様との接し方、実務のノウハウなど、さまざまな知識を身につけることができます。ただ、自分で悩み、困り、冷や汗をかいて経験を積む時期が後ろ倒しになるというデメリットもあります。

どんな状況下でも前向きに捉える

代表を交代する時期については、遅かれ早かれどちらにもメリット・デメリットがあると思います。世間一般には、なかなか変わらないことが一見よくないように見えることもあるかもしれませんが、それはそれでメリットがあり、「親からのノウハウを吸収するチャンスだ!」と前向きに捉えることが大切だと思います。

また、先代と後継者で反発し合うこともあるかもしれませんが、それは自然なことだと思います。しかし、外から見ると、やはり先代と一緒に協力しながら取り組んでいる後継者の方が、安心感があると感じることもあります。一緒にやりつつ、ノウハウの移転を受け、円満に事業を継承をしていくことができたらいいなと思います。

ちなみに私は先代からどのようにノウハウを学んだのかというと、自分が困ったときに、先代が違うやり方で物事を解決し、それを見て学ぶことが多かったですね。そして、自分が気づいたことを言語化すると、先代から「そういうことだよ」と自身の経験を話してくれることが多かったです。