• コラム
  • お知らせ

事業承継の裏話③ ~先代側の承継後の立ち位置・役割について~

axis talk コラム動画版はじめました! 是非youtubeをご覧ください。

introduction

当社のお客様の中にも、今後事業承継を進める予定があるもしくは現在進行形で進めている方もいらっしゃるかと思います。前回に続き、親子での事業承継にフォーカスを当てて、みなさんが気になるポイントを当社の実例をもとにお話したいと思います。

会社の成長に関わる先代の役割

今度は先代側で、譲った後どうしたらいいのかわからないっていうケースがあると思うんですよね。これも自分たちの例というか自分たちのケースから思ったことを言ってるので、全ての会社さんに当てはまるわけではないかもしれないんですけど、ひとつ気づいたこととして、先代が譲った後に、先代はどちらかというと、後継者の上にいる、いわゆる影の経営者としてやるというよりも、現場に出てもらった方が助かるんじゃないかなと思うんですよね。これには税理士という仕事の特性も関係しているかもしれませんが、税理士っていうのはプレイヤーじゃないですか。経営者でもありプレイヤーでもあるわけで、洋一さんも経営者をしていた時も常にプレイヤーでしたよね。

経営者としては、後継者が変わったなら、後継者が意思決定をして、社内の命令系統も後継者がしっかりやるべきだと思います。そこでは、あれこれ陰に隠れて指示を出すというよりも、現場に出てお客さんとの関係を最前線で繋いでもらうことをしてもらえると、先代にしかできないことでもあるし、後継者としても非常に助かることだと思います。先代が築いたお客さんとの関係があるわけですから、それを存分に生かしてもらいたいということです。例えば、うちの場合だとお客さんのところに行ってもらったり、従業員にノウハウを伝えてもらったりすることです。先代は一番社歴が長いですからね。洋一さんは2 代目なんですけど、今は当然社歴としては一番長いです。プレイヤーとしても一番のベテランであり、現場のノウハウも豊富に持っているわけです。現場の細かなことはできないかもしれませんが、やはりお客さんが何を気にしているのか、どう伝えたら伝わるのか、どういう言葉を使うと響くのか、そういったノウハウは持っています。それを現場で従業員に伝えてもらえると、事業のレベルアップにも繋がります。

後継者にとって「助かる存在」だと関係も良くなる

当社の場合でも、お客さんのところに行ってもらい、自分が対応しきれない部分を補ってもらうことがあります。一緒に担当者とお客さんのところに行って打ち合わせをしてもらうことで、先代のノウハウを従業員に伝えてくれるとレベルアップしますし、助かります。それに感謝の気持ちも生まれ、関係も良くなります。

世の中の事業継承では、経営を譲るとどうしていいかわからなくなり、意思決定を続けたり影の経営者として指示を出す、なんてこともありますが、私としては逆で、後継者に譲ったら、むしろ現場に出るべし!というのを提唱したいと思います。もちろん、譲る頃には社内で最年長になっていて、体力的には厳しいかもしれませんが、ここで言う「現場」は、体力的に厳しい作業という意味ではなく、お客さんや従業員に近い場所で今までのノウハウを十二分に発揮してもらうということです。そうすることで、後継者も非常に助かるんじゃないかと思います。