• コラム
  • 事業承継

コラム2021年3月 可愛い子(後継者)には“ゴルフ“をさせよ!?(前編)

お世話になっております。代表の川人です。
コラム2回目からいきなりふざけた内容か!とお叱りをいただきそうですが(笑)、半分マジメに書いております。

「可愛い子には旅をさせよ」ということわざがあります。これは、「子が可愛いなら、あえて家から出てもらって、世間の苦労や困難を経験させるべきだ」「人間は苦労を経験して初めて成長する」という意味ですが、私は事業承継の文脈において、「可愛い子(後継者)には”ゴルフ”をさせよ」説を提唱しております。

今でも、大企業の後継者は子供のころからゴルフをしている人は比較的いる気はします。
それに対してのイメージは、なんとなく「お金持ちのスポーツだから」「社会人になってからの人付き合いで役に立ちそう」というものではないでしょうか。
私自身は高校まではずっと剣道をやっていて、大学に入ってからゴルフを始めました(注)が、後継者がゴルフをやることには、もう少し深い意義・効果があると実感しました。
今回はそれについて、実体験を踏まえてご紹介したいと思います。

注:「広平くん、ゴルフ部出身の割には・・・」とよく言われますが、ゴルフ部ではなくコーチもいないただの同好会です!(笑)ゴルフ部と同好会では大違いですので訂正しておきます。


①地元に帰省させ、コミュニケーション機会を作る強力な動機付けになる
②後継者としての自覚を抱かせる機会になる
③ちょうど良い”経営会議”になる
④後継者の”武器”になる

①地元に帰省させ、コミュニケーション機会を作る強力な動機付けになる

大学入学から、徳島に帰ってくる直前まで、東京で過ごしていました。東京にいるときは中々ゴルフはできませんでした。学生時代で時間があっても、練習場は高いので沢山打てませんし、週末は混みすぎて「60分打つために90分待つ」なんていう笑い話みたいなこともザラでした。ゴルフコースも遠いしレンタカーを借りるか電車を乗り継ぐかして1日仕事になるし、プレー代も高いので、学生時代はなかなかコースには行けませんでした。
それが、徳島に帰省すれば練習場は近いし安いから沢山打てるし、ゴルフコースも近いし安いし、親と一緒にコースに行けばプレー代も払ってくれるしで最高の環境でした。普通、大学生なら盆と正月だけ帰省して、友達と飲みに行って親とはほとんどしゃべらない、ということも多いと思いますが、私の場合は「徳島に帰ってきてゴルフしよう」と父から誘われたら喜んで帰ってきたものでした。

親子間の事業承継においては、最初の関門が「後継者が継いでくれるか」であり、それは「いかに若いころからコミュニケーションを多くとり、その気にさせる(洗脳する)か」が重要だと思っています。この点、若いころからゴルフをさせておくことは、ゴルフを”エサ”にして後継者を帰省させ、コミュニケーション機会を増やす強力な”動機付け”になるのではないかと思います。

②後継者としての自覚を抱かせる機会になる

まんまとエサに釣られて帰省していた訳ですが、一緒にプレーするのは会社のお客様であったり父の経営者仲間でした。そうすると、「おっ、この子が後継者ですね!」と継ぐ前提の話になりますし、プレー中や休憩中の会話は経営の話だったりするので、学生の頃から自然と「自分が会社を継ぐんだなぁ」と考えるようになったり、経営というものに興味を持つようになりました。会社に見学に行かずとも、「仕事をしている父の背中」を見れているようなものです(注:父いわく、「俺が毎週ゴルフ行くのは遊びじゃない。仕事なんだ」とのことですし)。やはり息子というのは仕事をする父の背中を見ると、大小はあれど尊敬の念を抱くものだと思います。

想像してみてください。年に2回くらいしか顔を合わさず、親がどんな人たちとどのような会話をしているのかを知らない子と、親と一緒にお客様や経営者仲間とゴルフに行って、親の「経営者」としての背中を見ている子。
どちらが会社を継ぐ可能性が高いでしょうか。

若いうちに経営に興味を持てば、大学や資格取得などの勉強内容も変わってきますし、就職活動でも「家業を継ぐ」を念頭に職場を選ぶようになります。早くからその気にさせておく(洗脳する)ことが重要で、ゴルフはとてもいいツールなのではないかと思います。

③④は、次回のテーマにしたいと思います。
最後までお読みくださった皆様、ありがとうございました。