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コラム2022年5月 事業承継とDXの意外な関係とは!?

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今回のテーマは?

今回は「事業承継とDX」というテーマでお話したいと思います!

 一言で事業承継と言っても、子どもにゆずる場合、従業員に引き継がせる場合、あるいはM&Aで売却する場合など、いろいろなパターンがあります。「引き継いだ後でDXを進めてくれればいいのでは?」と、事業承継とDXはあまり関係ないようにも思いますよね。最近「DXには事業承継をスムーズにしてくれる側面がある」と感じたことがあったので、そのことについてお話しようと思います。

1.事業継承で課題となることは?

 まず、事業承継をうまく進めるためには、やらなくてはいけない事がたくさんあります。なかでも大事な要素の1つが「後継者にある程度任せないと成長しない」ということです。「会社が生まれ変わっていかない」とも言えますね。とはいえ、先代からすると、後継者に任せることは非常に怖いことで、「自分の知らないところで自分の考えとは違う方向に会社が進んでいるのではないか」と不安になってしまうものです。弊社の先代の洋一さんも、内心ハラハラしながら私に任せているのだと思います。そして会社として見ると、危ないことでもあると思うのですね。私が後を継いだのは29歳の頃で したから、まだまだ未熟で世の中知らないことだらけでした(今もですが(笑))。

 洋一さんとはよくゴルフに行きますが、道中の車の中が良いコミュニケーションの場になっていて、いろいろと相談させてもらっています。(詳しくは2021年3・4月号「可愛い子(後継者)にはゴルフをさせよ!?」をご参照ください!)洋一さんが完全に経営から離れていたら、おそらく今のように事業を引き継ぐことは難しかったでしょう。

2.後継者に任せるための“仕組み”作り

これらの課題を解決するために重要なのが、「任せつつ見守れる仕組み」を構築することです。当社が伴走型で事業承継コンサルティングを行う場合でも重視しているポイントです。
 
 先代が完全に会社から離れてしまって、放任してしまっては後継者教育の機会が作れません。かといって、必要以上に指示を出してしまっても後継者のためにはなりません。先代と後継者が、ちょうど良い距離感を保つことが必要です。事業承継コンサルティングを行う際には、コンサルタントとして先代と後継者の間に入って、会社の課題やアクションプラン、方向性を一緒に探り、実行し、先代の方に進捗を共有していきます。そんな「任せつつ見守れる仕組み」が大事だなと思うわけです。

3.「会社に来なくても状況が分かる」DXが安心を生み、事業承継を加速する

 その中で今回お話する「任せつつ見守れる仕組み」の1つが “チャット”です。
 
 アクシスでは、マイクロソフトの“Teams(チームズ)”を使っていますが、社内のやりとりのほとんどが、このチャットで行われています。私からの連絡もチャット、お客さんから聞いた新しい情報の社内共有もチャット、LINEのご登録者数の報告もチャット、何でもチャットで共有しています。

 実はこのチャットを洋一さんも見ていまして、「なんとなく会社でどんなことが起こっているのか」「お客さんから頂いて嬉しかった言葉」「いま発生している課題」そういったテーマが自然と共有されるようになっています。例を挙げると「全社連絡」のチャットルームや、部長さん課長さんが入っているチャットルームには、洋一さんもメンバーに入っています。チャットで大まかな話を把握できているので相談もしやすいですし、年に数回くらいですがどうしても気になることがあれば、ご意見をいただいたりもしています。

 洋一さんからしても、リアルタイムで会社の状況を知ることができますし、いざという時には自分で行動を起こすことができます。こういったツールがあると、会社に来なくても安心できますよね。世の中の先代の方々に「会社に絶対に来てはならない」というつもりはありませんが、うちの洋一さんに関して言えば、声も身体も大きくて、存在感がある方ですので(笑)、会社に来ると、私も従業員の皆さんも意識してしまいます。先代が会社に来なくても会社の状態がわかること、これは事業承継に役に立っているなと思います。

4.どんなモノでも使いよう

 今回はアクシスの事例をお話ししましたが、どんな会社さんでも試しにチャットツールを使ってみると良いと思います。チャットを使うほどの規模じゃないとか、職種的に必要ないと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、連絡事項だけでもチャットを使ってみるのはいかがでしょうか。コミュニケーションを円滑にするツールが、意外とモノは使いようといいますか、思わぬところで役に立つことがあるかもしれません。